2019年度から開始した全団調査も5年になりました。5年間の多くのデータの蓄積と分析から、日本のボーイスカウトの課題を示すことができています。各団のご協力に感謝申し上げます。

入力項目には定点観測として集会数や進級状況など5年間同じ項目があります。それを追っていくと変化から見えてくることがあります。

また、特集として毎年異なる項目が設定されています。今回の全団調査では、前回のカブ隊デンリーダーの調査に続いて、ビーバー補助者の状況を調べました。プログラムの視点から野営の実施状況、AISの視点から指導者の任期の設け方についても調査しています。

ここでは全団調査2023での注目点として、統計データの中から、全国的に見えてくる傾向を紹介します。

全団調査は、課題を提示しても解決策までは提示しません。課題に対し、どういう施策を採用するのが効果的なのかは、知恵を絞る必要があります。さらに、課題から解決策(施策)に至ったプロセスも大切で、納得感を持って施策を実施できるよう周知する工夫が求められます。
また、ここで紹介している傾向は全国の平均値であり、参考にしていただけるとは思いますが、県連盟・地区それに団の規模によって状況はさまざまです。それぞれの分野で分析をし、対策を考えることが肝要です。

注意事項

目次

1. 2022年度も新規⼊団が前年から増え、2021年度に続き中途退団は抑えられた

2. カブ隊の退団理由のトップは「学業優先」であり、⼀昨年度、昨年度と同じ傾向

3. 隊集会の回数がコロナ禍前の水準に戻ってきており、宿泊を伴う活動も戻ってきた

4. 進級率はやはり変化がない(むしろ増加傾向)

5. ワクワク自然体験あそびの⼊団率は低下

特集項目

6. ビーバー補助者の状況

7. 5泊以上の野営は6割ができておらず、できない理由はスカウトや指導者の都合が合わないこと

8. スカウトだけの野営が実施されていない

9. 指導者の任期はほとんどの団で設定していない


参考資料全団調査2022の注目点全団調査2021の注目点2019年度「全団調査」報告書

公益財団法人 ボーイスカウト日本連盟