9. 指導者のスカウト経験の有無は半々

- 経験の有無により年齢・性別の分布が異なる -

多くの指導者はスカウト経験がなく、スカウト経験がないことに引け目を感じる必要がない。それを示すために、全団調査2022では指導者のスカウト経験を調べることにしました。

調査の結果は以下のとおりで、ビーバー・カブの隊長ではスカウト経験のない指導者の方がむしろ多いことが分かりました。全く引け目を感じなくて良いことが分かります。ところが、ボーイ以上の隊長は、野営などでスカウト技能を求められるためか、比較的スカウト経験ある指導者が多くなっています。

ビーバー隊長
カブ隊長
ボーイ隊長
ベンチャー隊長
ローバー隊長

副長では以下のようになっています。

ビーバー副長
カブ副長
ボーイ副長
ベンチャー副長
ローバー副長

スカウト経験がないことは、引け目に感じることではなく

で、十分フォローできるのではないでしょうか。

ところで、スカウト経験の有無による年齢性別の分布を調べると、以下のようになっていることが分かりました。

スカウト経験あり
スカウト経験なし

左のスカウト経験がある指導者の年齢分布には2つの山があります。

低年齢の山は、ローバーかローバーを卒業して指導者に残ったグループで、女性も一定数います。高年齢の山は、スカウト経験がない指導者の山と同じ年齢層で、子どもがスカウトに入団することで活動に復帰した保護者の層であると思われ、男性がほとんどです。

一方、スカウト経験がない指導者は女性が多数を占めていますが、デンリーダーや団委員が多いためであると考えられます。これは 10. で詳しく述べます。

以上のことから指導者には、大まかに3つのグループがあることが分かり、それぞれの特性から訓練やサポートを検討すべきだと考えられます。

グループ年齢性別野営等の経験社会経験
スカウト経験がある
比較的低年齢の指導者
20~30歳代男性が多いが
女性もいる
期待できる少ない
スカウト経験がある
比較的高年齢の指導者
40~50歳代男性期待できる多い
スカウト経験がない
指導者
40~50歳代女性が多いあまり
期待できない
多い

公益財団法人 ボーイスカウト日本連盟